「北海道の動物園・水族館の未来を語ろう!」シンポジウムに参加しての 雑感 ①

2018年3月11日に、札幌市円山動物園にて
「北海道の動物園・水族館の未来を語ろう!」 というシンポジウムに参加しました。
基調講演は、神奈川大学法学部の諸坂佐利准教授。
これからの動物園運営に必要な福祉条例、動物園法の制定についてお話を聞くことが出来ました。
以下、配布された資料と講演後のパネルディスカッションより、
個人的に重要だと思ったことを箇条書きにしています。

■日本には、「国立動物園」が存在しない。また、「動物園」を位置づけ統制する法規定がない。

■博物館法、動物愛護管理法、都市公園法、自然公園法、文化財保護法、鳥獣保護管理法などなど、動物園を取り巻く法律は様々あるけれど、各種法律を所管している部署がバラバラ、統一な法体系として整備されていない。


その結果として

■金儲け主義、劣悪環境で飼育展示する「自称動物園」「もぐりの動物園」が生まれる問題。

■動物虐待、動物放出(外来種発生)のリスク

■行政が「動物園」の全体像を把握できない、法的コントロールが徹底されないため、事件事故が起こった時に対応が後手後手に陥る可能性、予防措置の不徹底になるリスクがある。(ここで、マレーグマの件が例として挙げられました)


※現在、公営(私営)の動物園も、ペットショップも、ペットホテル、動物カフェその他「動物を扱う商売」は【第一種動物扱業】だけあれば運営することが出来てしまい、「動物園」の定義がとても曖昧とのこと。

これら、自称を含めた「動物園」は、日本に500園館ほどあり、そのうちJAZA(日本動物園水族館協会)に所属するのは91園(水族館は60館)のみだそうです。


地方公共団体が設置する動物園の問題点としては

■動物園経営は自治体にとってのマストな仕事ではない。

■首長の関心の度合いに左右される→集客重視、金儲け主義等、レジャー施設などと同視される可能性。

■首長の交代によって経営方針が180度変わる危険性

■行政の組織だと、園長や職員の意識や技術力にムラが出る危険

■定期的な人事異動は、飼育繁殖等の技術の安定化・継承に影響する

■動物園の独立採算制と自治体の財政難の問題。動物たちの生活環境がそれに左右される。


※人事異動については、円山動物園では「動物専門員」という専門職を設け、新規採用と現業からの転任試験により、少しずつ専門職化していますが、園長以下管理職部門は2~3年単位の異動になることは変わっていないようです。働く職員を専門職化すると同時に、管理職もある一定期間は固定しないと意味がないのでは、、、と、個人的には思います。

(公務員の定期的な人事異動における問題については、公務員の「定期異動」がサービス低下を招く深刻な実態 なんて記事もありましたね。)


続きます。


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by suimu_calcite | 2018-03-20 22:40 | 動物園